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2025.06.12

カゴシマ・アーティスト・インタビュー:画家 ポヨヨン太郎さん

 
第4回タガワアートビエンナーレ「英展」にて史上最年少(11才)入賞を果たした巨大掛け軸「ちんちんまんだら」を
鹿児島で初公開するちんちんまんだら展
GW期間、太郎さんの生まれ育った名山堀にあるレトロフトMuseoにて大好評のうちに会期を終えました。
そんな画家 ポヨヨン太郎さんとお母様の亜希子さんは近く屋久島へ移住。
この記事が投稿された頃にはおふたりの屋久島生活は始まっています。
 
2025年5月ももう終わりに差し掛かる某日、
かごしま文化情報センター(KCIC)にて
そんなおふたりに
名山堀生まれの未来の巨匠ポヨヨン太郎さんの生い立ちとこれからについて
インタビューをしてみました。
 

描くことのはじまり

KCIC(以降K)いつから絵を描き始めたか覚えてる?
ポヨヨン太郎さん(以降)赤ちゃんのときから描いてる。物心ついたときから。

亜希子さん(以降) 丸をかいたり、丸は顔。アンパンマンも。

顔が好き

3歳ぐらいになってからキャラを書き始めて4歳くらいから自分のキャラクターを作り始めてたかな。

 

ポヨヨン太郎さんの一日

K 毎日描いてるの?

一番楽しいな、っていうのを優先して行くと。うん、絵描いてる暇ない時多いよね。
この人の場合、何かひらめいてからわって描き出すから。早描きなので。例えば、クラシックピアノだったら、毎日こつこつやらないと明らかに腕落ちるんだけど、

僕は楽しいから、あんな絵が描けるんだよ。面白い絵が描けるのはやっぱり楽しいからだよ。

朝は夏は早くて6時とか…8時には起きる。毎日わくわくして起きちゃうんだ。
食べるのとか遊ぶのとか絵を描くのとか今日のおたのしみとか楽しい。ママは必ず毎日まぁ波はあるけど、楽しいことを用意してくれるから。最高にいいコンビなんだ

目新しいものに熱中するブームがあって、マジックのときにはずっと、ママ見て、ママ見てって。
基本人って、「僕を見て私を見て」、ですね。

K 一日の流れとかルーティンとかあるのかな?

毎日順番とかは決まってない。それも自由だから。朝ご飯も 10時になったり。

K 私もよくある。食べたい時間っていうよりもなっちゃった時間に食べてる。

忙しいとそうなるよ。でも、僕は食べたい時に食べたいんだ

 

インタビューをしながら工作

 

オムレツとヘップバーン
K 太郎さんの趣味にお料理もあるでしょう。お料理作ったりするの?

うん。食べたい時に作ったりする。料理も好きだから。お腹いっぱいの時でも作れって言われたら喜んで作る。

K ではぜひウチで太郎さんの手料理を!

コース料理

私がサポートいたします(注1*亜希子さんは名山堀で飲食店をされてきた腕利きです)

サポートいらん

いつかなにかイベントしようか、ふたりでね。お料理イベントとか⋯

(太郎さん、亜希子さんに食いつく眼差し)

K 太郎さん、なにつくるの?

オムレツ

今は「オムレツ太郎」。ホント凝り出したら、私そんな事無いんだけど、やっぱ男の子はなんかおタク。突き詰めちゃう。オムレツ、ふわっふわだよね。

K 麗しのサブリナでオードリーヘップバーンがパリで最初に学んだのも卵料理

いいよね、オードリーヘップバーン。ムーン・リバーだね。

(太郎さん、ムーンリバーを突然歌い出す)

K うん。太郎さんが書いたヘップバーンがどうなるのか見てみたい。

オードリーヘップバーンはなるべく汚くしてみたい。美人なほど汚くする価値があるから。

K え、どういうことなんだろう?

特徴は捉えてんだけど、鼻毛がボサボサだったりしたら面白い。

K へえ、ヘップバーンと鼻毛っていう言葉を初めて一緒に聞いた。すごいね。
ところでオムレツはふわふわ以外とかバリエーション色々じゃなくて、ふわふわを極めていってる感じ?

そう、ふわふわはいつもふわふわで。味つけが若干変わって…

だし巻き風になったりシンプルになったり、美味しいよ、絶品だよ。自分で言えるほど。
だってずっとやってるもん。

 

ボツ
K 自分の才能には気づいている?

うん、才能っていうか、絵がやっぱり自分は好きなんだなあ…っていつも思う。

K 絵が好きなんだなって思う気持ちはどんな感じ ?

ああ得意、って感じ。自分のあの面白さにウットリ、ウットリ〜✨️って感じ。
午前中まるまる、漫画に打ち込んでるなって時と、なかなか苦戦している時もある。
(絵を)パッと見てわかるんです。” おーっ”ていう時と”うんちょっと…”って時

ちょっとカットに使えるね、とか。あーボツでしょうね、とか。
でも、僕はボツを認めたくないから

最初からわかっているんだけどちょっと離れてみないと。

僕はボツを認めたくないから、もう大変なんだよ。

K ボツってハチロクニュース(注2*太郎さんが挿絵を担当している月刊誌)の時のこと?

絵としてのボツ

で、これは表紙に値するな、これはカットだな、これはボツだな、というのがあって、パッと見で、だいたい分かるんだけれど、この人は一生懸命打ち込んでいるから。あの、最初から言うと怒るしね。

でも、それでもっといいのが描けたりする 

ボツが経過で凄くイイのになったりする。まあ無理だなって時はぐちゃぐちゃポイです、ハイ、次って。

ひらめいたら、頭にうかんできたらがーって描く ひらめきから描く ここなんか顔つけてみようか的なときもある。 でも、ネタ切れの時はウダウダ。

K 作家さんみたいなところがあるんですね。小説みたいなストーリーがきっとキャラクター描くにしてもあるんでしょう。

うん、日常で見たものから面白い生き物が生まれたり。普通にあることの中からね。

K でもすごいよね。なんかこの間、タイトルつけた時や描いたときのこととかも全部覚えてるって言ってたもんね。

そう、描いたときのことはしっかり覚えてる、僕は…

 

 ウットリとガッカリの顔

 

ママ

K 絵以外に好きなこと聞こう。
でももうさっき聞いちゃったけど、絵が一番にあって、他は趣味になっちゃうんだもんね。

(注3*太郎さんの趣味はダンボール工作、料理、ダンスの自撮り、サッカー。絵は自由になれるから良い。ダンスはオリジナルになれるけど自由なのは絵。サッカーは自由ではないけれど点を決めるのが楽しいのだそうです)

この人の絵に大事なことって( 横からラップみたいに:遊びすぎ趣味)元気でいること、(横からラップみたいに:趣味からできる元気)自分を喜ばせて…

楽しませる 。人も。自分が楽しんでいたって人が楽しくなければやっぱつまんない。

K だからユーモラスな画になるんですかね。

好奇心旺盛だから

色んな人に出会うだろうし、出会ってほしいし、チャンスがあればパッて行く。

でも幼稚園の頃とてもビクビクしてて、えーん、ママそんなとこ行ったら死んじゃうよ、ってくらいオメオメしてた

喜怒哀楽が激しくてはっきりしてる。赤ちゃんのころから泣いたり笑ったり、ほんとコロコロと。とにかく笑いが多い子だった。それで泣き虫。怖がり(笑)

でも目の前に大きな崖があったら上りたくなる。でもコワイ。 

行きたいんだったらなんでメソメソすんの、って。

K 2人ともなんか逆だったり、それはいいコンビってことなんでしょうね。太郎くん今でもオメオメするときはあるの。

しょっちゅう泣いてるよ。ちょっとしたクレームでわーってなったり、ママから怒られてわーってなったり、
下品な絵をかいてーとか、なんでもっとちゃんとした絵を書かないのとかクレーム言われて…ヤな感じと思う

K そっか。でも受賞しちゃってますからね。

 

 
屋久島とこれからのこと
K 太郎さんの10年後、22歳のとき。どんなことしていると思う?
モテモテで、ちゃんとお金も稼げていてウィキペディアに載ってて、世界回ってて。
K コンピューターとかAIとか気にはなる?
全く好きじゃない
描いてるのが好き。工作も好き。
うん、ロボット描いてるときもロボットなんだけれど、すごい有機的なんですよ。オシッコでも出そうな感じで。怒ってたり何か泣いてたり。表情がいろいろ。笑えるし。
女の子にも興味があって、ちっちゃい頃からニヒヒって感じ
めっちゃ照れるの!
あんまりそういうのない子もいるじゃないですか。モテたくて仕方がない 
K そういえばハイヒールの女の子、幼稚園の時にいっぱい描いていたって言ってたな。
うん、なんかお洒落した女の子いっぱい描いていて、友達からからかわれてよく隠して描いてた。絵で友達を作りたいと僕は思っているから。「ちんちんまんだら」に出てくる子達もみんな友達
K 屋久島に行ったときの楽しみは?
彼女づくりと友達作りと絵の傑作づくりに力を入れたい。
やっぱり人にすごい興味があるんですよね。まあ、結構好き嫌いはっきりはしているかもしれないけど、ね。面白がるよね、いろんな人を。
K これからの抱負ってある?
絵でギネス取る
絵で大谷翔平になる、めちゃ有名になる
小学生ってギネス好き
小学2ぐらいのときにサインの練習していた 
ひらがなで“ゆうめい太郎”とか…
有名になるんだっていうのが小さいころからすごくある
絶対人生楽しいもん。逢いたい人に会える。有名イコールお金でもあるし色んな人に会える
コラボとかね
K 亜希子さんは?
これからもたくさんの人と仲良くなってほしい。自然体験をできる限りさせたい
それが今回の屋久島移住で実現するかな
楽しみすぎる
 
名山堀の家に帰るポヨヨン太郎さんと亜希子さん

当初おふたりの会話をまとめた記事の構成を予定していましたが
今回のおふたりの会話や雰囲気は人生のこの時期だからこそという気がして
インタビューをほぼそのまま(長すぎた箇所、ズルズルした箇所は割愛して)掲載させていただきました。
 
亜希子さんの屋久島への移住までの想いやエピソードが綴られた
ハチロクニュース 第371号の記事もぜひ手に取っていただけたらと思います。
 
伸びやかな心を持ち、どこまでも正直で誰にでもフラットなポヨヨン太郎さん。
どこまでも伸びやかに、これからも面白い未知の世界へ私達をいざなってください。