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2018.10.31

レポート「かごしま伝統芸能ネットワーク会議及び感謝状贈呈式」

6月30日(土)、アクアガーデンホテル福丸にて、「かごしま伝統芸能ネットワーク会議及び感謝状贈呈式」を開催しました。

平成25年度から毎年開催している本会議には、伝統芸能の保存と継承に取り組む地域の伝統芸能保存団体に所属する方々が一堂に会し、個人功労者への感謝状の贈呈や事業説明、活動報告、意見交換が行われ、今年は22団体47名の参加がありました。


各保存団体からの推薦を受け、今回、個人功労者として感謝状が贈られたのは13名。

いずれの方も長きにわたり、鹿児島の伝統芸能の保存と継承に尽力してこられた方々です。

 

 

次に個人功労者を代表し、「下花棚棒踊り保存会」の泊純弘会長から「自分が棒踊りを踊り、ましてや表彰を受ける日が来るとは思いもしませんでした。皆さんの協力と鹿児島市のサポートのおかげです」と挨拶がありました。

 

 

贈呈式後の、「かごしま伝統芸能ネットワーク会議」では、「文化薫る地域の魅力づくり実行委員会」の伝統芸能を管轄する第3部会の池水部会長の進行のもと、事務局より平成29年度と本年度の事業内容について報告がありました。

 

 

昨年の本会議において「踊りで使用するわらじを作れる職人がいない」という意見が出たことから、本年度はわらじ作り体験を盛り込んだ伝統芸能ツアーを開催すること、10月13日開催予定の「ふるさと芸能祭」などについて説明がありました。

 

 

その後、平成29年度の伝統芸能ツアーに参加した「野頭銭太鼓保存会」の川水章子会長と、「第30回国宝松本城太鼓まつり」に出演した「西上太鼓踊り保存会」の福元洋会長から、イベントの状況や感想などの発表がありました。

 

 

続いて各団体を代表して、このたび県の無形文化財に指定された「本城花尾神社の春祭り」で奉納を行う「本城棒踊り保存会」の重信健一会長と、長い休止期間を経て、昨年活動を再開した「春山郷土芸能保存会」の米山光明さんから活動報告がありました。

 

最後に意見交換では、今回は「子どもが練習に参加しやすい環境づくり」についての意見が多く寄せられました。

 

 

会議を終えて、参加した「正調おはら節保存会」の福元明美会長は、「毎年参加していますが、普段は横のつながりがないので、この会議は貴重な機会です。正調おはら節の踊りはとてもかっこいいので、多くの人に踊ってもらいたいし、見ていただきたいですね」と話しました。

 

個人功労者の表彰を受けた「下花棚棒踊り保存会」の泊純弘会長は、「『今ここにあるもの、そしてここにしかないものを潰したくない』という一心で活動してきました。続けてきたからこそ、次世代に受け継ぐ責任も感じています。活動をサポートしてくれる方々にも感謝しています」と笑顔で語りました。

 

さまざまな課題を抱えながらも、地域の財産である伝統芸能の魅力を伝えようと尽力されている保存会の皆さん。参加者の情報交換やネットワークづくりの一助となる場を提供するという意味でも、大きな意義のある会議となりました。

 


取材&写真:かごしま文化情報センター(KCIC)