2015.07.31

レポート『伝統芸能との出会い』~花尾キャンプ・大平の獅子舞~
梅雨入り間もない6月6日(土)に鹿児島市花尾町において花尾小学校と鴨池小学校・中郡小学校の児童たちの交流キャンプが開催されました。企画をしたのは文化薫る地域の魅力づくり実行委員会の地域伝統芸能部会に参加している鹿児島国際大学の学生です。この中で、花尾に伝わる獅子舞の獅子たちが登場しましたので、その様子を少しだけご紹介したいと思います。
【花尾町】
自然豊かで川田川を利用した水田が多く、まさに日本の原風景といえる地域です。島津忠久公の母である丹後局を祀った花尾神社や隠れ念仏洞窟など歴史も豊かな土地。花尾町だけで『花尾の太鼓踊り』『大平の獅子舞』『岩戸疱瘡踊り』の3つの鹿児島市指定の無形文化財があります。これを継承していく団体として花尾小学校には文化財少年団というものがあり、小学生の時分から伝統芸能の伝承に携わっています。
【大平の獅子舞】
平成17年に鹿児島市の無形文化財に指定された伝統芸能です。田畑を荒らし、農民を困らせる獅子を退治するために立ち上がった狩人がかみ殺されてしまい、その息子が敵を討つという武勇談がもととなっています。一般的に風流化している獅子舞と比べ、衣装も踊りも素朴な庭狂言で、民俗学的に貴重な芸能と言われています。
【特別に登場した獅子】
さて今回、3つの学校の児童たちの交流の一環として花尾町の様々な特徴を活かしたウォークラリーが開催され、その中のチェックポイントの一つとして、『大平の獅子舞』の獅子が登場しました。獅子がくわえている指令書を獲って答えを紙に書くというもの。
鴨池小学校と中郡小学校の児童たちは初めて見る獅子に興味津々。
指令書をクリアしたあとは皆で子獅子になって記念撮影をするなど、伝統芸能に触れるよい機会となりました。ちなみに花尾神社の秋の大祭では『大平の獅子舞』を含め、様々な伝統芸能を見ることができます。この秋は貴重な伝承の世界に触れてみてはいかがでしょう。
【花尾神社 秋の大祭】
日程:2015年9月23日(水・祝)
場所:鹿児島市花尾町 花尾神社
取材:かごしま文化情報センター 伝統芸能担当 森永愛美
取材協力&写真提供:鹿児島国際大学 花尾まちおこし団体 おこしんちゅ