About

2015.6.20 SAT > 12.5 SAT
全8講座
主催:文化薫る地域の魅力づくり実行委員会、鹿児島市
企画制作:かごしま文化情報センター アートディビジョン
助成:一般財団法人地域創造
CONCEPT
企画意図
昨今、地方での芸術祭が数多く開催され、地域でアートを活用したイベントが地域活性化の役割 ( 地域の情報発信、交流人口の増加など ) を果たしつつある。しかし、首都圏のやり方をそのまま地域に適応させることは難しいこともわかってきた。そこで、主催者と地域の双方がメリットを得られるような文化イベントが開催されるよう、地域でアートを活かしたイベントのビジョンづくりや企画立案、資金運営など、マネジメントの必要性があると考えた。
PROGRAM
実施内容
かごしま文化情報センター (KCIC) の拡張したスペースを利用して、新しいアートマネジメントの形を模索する座学(レクチャー)と実践(ワークショップ)のシリーズを企画。ここでは、各地で独自の活動を展開するアートマネジメント、発信(告知)活動、教育普及など、いまの社会で必要なアートマネジメント(企画・運営)の在り方を、参加者と一緒に模索した。

講師紹介

Lecturers Profile

「混浴トーク~アートと社会の蜜な関わり

山出 淳也JUN’YA YAMAIDE
1970年大分生まれ。NPO法人BEPPU PROJECT代表理事/アーティスト。アーカスプログラムによるレジデンス ( 茨城県、1996-1997)、ACCによる助成を受け NY、PS1でのインターナショナルスタジオプログラム参加 (2000-2001)。ポーラ美術振興財団の助成による欧州滞在(2002)。文化庁在外研修員としてパリに滞在(2002-2004)。帰国後、地域や多様な団体との連携による国際展開催を目指して、2005年にBEPPU PROJECTを立ち上げ現在にいたる。

「身の丈アートプロジェクトのすすめ」

小山 冴子SAEKO OYAMA
とんつーレコード/art space tetra。2007年より有志による共同運営のスペースart space tetra(福岡市)を拠点に、展覧会や実験的な音楽イベント等を多数企画。同時に外部のアートプロジェクトや美術家の制作現場にも関わる。2012年よりNPO法人BEPPU PROJECTに参加。様々な業務を担当した後、2014年よりフリーランス。2015年、鹿児島県にて文化庁メディア芸術祭鹿児島展でディレクターを務める。編集者・ライターとしても活動。現在、あいちトリエンナーレ2016にコーディネーターとして関わっている。編集者・ライターとしても活動。
※プロフィールは2015年度現在のもの
原田 真紀MAKI HARADA
元田川市美術館学芸員。企画展:「立石大河亞展」(1999)、「山出淳也 – 記録・gradual increase」(2000)、「描かれた < 筑豊 >」(2002)他。キュレーション担当:「はじまりはここから」(九州芸文館、2013)、博多阪急 ARTCUBE(2013~)、「“直観”のジオラマ展」(福岡市美術館特 B、2014)他。執筆に岡林洋編著『川俣正 アーティストの個人的公共事業』(美術出版社)。2008年「ママとこどものアートじかんプロジェクト」を立ち上げ、現在同代表。「筑後アート往来:景色のそこへ、そこの景色へ」(九州芸文館、2015)他。

「点と点を結ぶ〜アーツ前橋での取り組み」

小田 久美子KUMIKO ODA
1985年姶良市出身。鹿児島県霧島アートの森、鹿児島市立美術館職員、NPO法人 PandA コーディネーター、及び、鹿児島市の文化薫る地域の魅力づくり実行委員会美術部会員を経て、アーツ前橋学芸員。現職では、主に教育普及や館外で行う地域アートプロジェクト事業に携わる。

「これからのパブリックリレーションズ」

兼松 佳宏YOSHIHIRO KANEMATSU
greenz.jp編集長/NPO法人グリーンズ理事。1979年生まれの勉強家 兼 お父さん。2004年よりウェブデザイナーとしてNPO支援に関わりながら、「デザインは世界を変えられる?」をテーマに世界中のデザイナーへのインタビューを連載。 CSRコンサルティング企業に転職後、2006年クリエイティブディレクターとして独立し、ウェブマガジン「greenz.jp」の立ち上げに関わる。2010年より編集長。秋田市出身、京都市在住。一児の父。2016年より京都精華大学人文学部の特任講師として「ソーシャルデザイン・プログラム(社会創造演習)」を担当予定。
※プロフィールは2015年度現在のもの

「文化政策、アートマネジメントの近年の潮流」

大澤 寅雄TORAO OSAWA
芸術文化プロジェクト室准主任研究員、NPO法人アート NPOリンク事務局、NPO法人STスポット横浜監事。慶應義塾大学卒業後、劇場コンサルタントとして公共ホール・劇場の管理運営計画や開館準備業務に携わる。2003年文化庁新進芸術家海外留学制度により、アメリカ・シアトル近郊で劇場運営の研修を行う。帰国後、NPO法人STスポット横浜の理事および事務局長、東京大学文化資源学公開講座「市民社会再生」運営委員を経て現職。
※プロフィールは2015年度現在のもの

「教育普及(ミュージアムエデュケーション)ブートキャンプ」

会田 大也DAIYA AIDA
1976年東京生まれ。 2000年東京造形大学造形学部デザイン学科造形計画専攻卒業。2003年情報科学芸術大学院大学 [IAMAS] 修了。2003年開館当初より 11 年間、山口情報芸術センターの教育普及担当として、メディアリテラシー教育と美術教育の領域を横断する形で、オリジナルのワークショップや教育コンテンツの開発と実施を担当する。一連のワークショップは、第6回キッズデザイン大賞を受賞。担当企画展示「コロガルパビリオン」が、第17回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品受賞。2014年より東京大学大学院ソーシャル ICTグローバル・クリエイティブ・リーダー [GCL] 育成プログラム特任助教。

「価値を伝えるプロジェクト記録術」

橋本 誠MAKOTO HASHIMOTO
1981年東京都生まれ。横浜国立大学教育人間科学部マルチメディア文化課程卒業。2005年よりフリーのアートプロデューサーとして活動をはじめる。2009~2012年、東京文化発信プロジェクト室に所属しプログラムオフィサーとして「東京アートポイント計画」の立ち上げを担当後、一般社団法人ノマドプロダクションを設立。様々なプロジェクトのプロデュースや企画制作を手がけている。TARL(Tokyo Art Research Lab)事務局長。 主な企画に都市との対話(BankART Studio NYK/2007)、KOTOBUKI クリエイティブアクション(横浜・寿町エリア/2008~)など。

「成果報告会〜やわらかい社会のために〜」

藤 浩志HIROSHI FUJI
1960年鹿児島生まれ。京都市立芸術大学在学中演劇活動に没頭した後、地域社会を舞台とした表現活動を志向し京都情報社を設立。京都市内中心市街地や鴨川などを使った「アートネットワーク’83」の企画以来全国のアートプロジェクトの現場で「対話と地域実験」を重ねる。同大学院修了後青年海外協力隊員としてパプアニューギニア国立芸術学校勤務。都市計画事務所勤務を経て92年、藤浩志企画制作室を設立。各地で地域資源・適正技術・協力関係を活かしたデモンストレーションを実践。福岡県糸島市在住。NPO法人プラスアーツ副理事長。十和田市現代美術館館長。秋田公立美術大学教授。
※プロフィールは2015年度現在のもの

アーカイヴ

ARCHIVES

「混浴トーク~アートと社会の蜜な関わり」

山出 淳也
JUN’YA YAMAIDE
会 期:2015年6月20日(土)
時 間:14:00〜16:00
会 場:鹿児島市役所みなと大通り別館、市民アートギャラリー
参加者:32名

第1回目のゲストは山出 淳也さん(NPO法人BEPPU PROJECT 代表理事/アーティスト/混浴温泉世界 総合プロデューサー)。2015年をもって一時休止する別府現代芸術フェスティバル「混浴温泉世界」のことを中心にお話いただいた。

レクチャーでは、山出さんが活動の拠点としている大分県別府市の特徴や魅力、「混浴温泉世界」を始めるまでの経緯、最終回となった2015年の「混浴温泉世界」フリーペーパーによる発信やお土産プロデュースなど観光への展開などについて語っていただきながら、地方都市におけるアートプロジェクトの可能性や地域への広がりについて知ることができた。

「行政に頼むより、自分でやろうと思った。」「アートと街を同時に楽しんで欲しい!」「イベントが打ち上げ花火で終わらないようにプロジェクトをつくっていく。」といった自主性や持続性、街への波及に関する発言が印象に残った。

「身の丈アートプロジェクトのすすめ」

小山 冴子
SAEKO OYAMA
原田 真紀
MAKI HARADA
会 期:2015年7月4日(土)
時 間:14:00〜16:00
会 場:かごしま文化情報センター
参加者:18名

第2回目のゲストは、地域を拠点にオリジナルな活動を企画し、継続している小山 冴子さん(とんつーレコード/art space tetra)、原田 真紀さん(元田川市美術館学芸員/ママとこどものアートじかんプロジェクト代表)をお呼びし、おふたりが2人がどのようにして現在の活動を立ち上げ、続けているか、“身の丈”から始めるプロジェクトについてうかがった。

小山さんのプレゼンテーションからは自らの活動の源が「?」「怒」「!」など、自分自身の欲求から出発していること、続けていく理由として「自分にとっても社会にとっても必要な場所である」と認識しているから続けられるなど、自分とアートプロジェクトとの関係性について聞くことができた。

原田さんからは、学芸員時代のこと、自分が企画者として実践していること、キュレーターとしての視点など、さまざまな立場を経験したなかで見えてきたアートプロジェクトの意義や課題について話を聞いた。

後半のトークセッションでは、「それぞれにとって関わっているアートプロジェクトは自分にとってどんな存在か?」などの抽象的な議論や「(身の丈で運営するために)お金はどうしているか?」といった具体的な議論が交わされた。

「点と点を結ぶ〜アーツ前橋での取り組み」

小田 久美子
KUMIKO ODA
会 期:2015年7月18日(土)
時 間:10:00〜12:00
会 場:かごしま文化情報センター(KCIC)
参加者:17名

鹿児島県立霧島アートの森、鹿児島市立美術館職員、NPO法人PandAコーディネーターとして地元・鹿児島での活動を重ね、また鹿児島市の文化薫る地域の魅力づくり実行委員会美術部会員としてかごしま文化情報センター(KCIC)の立ち上げに関わった小田久美子さん(アーツ前橋学芸員)をゲストに招き、学芸員として勤務しているアーツ前橋の地域に根ざすアート活動について伺った。

レクチャーでは、アーツ前橋において「教育普及」「地域アートプロジェクト」に関わっている小田さんから、地域とアートスペースの関わり方について、「地域とは?」「関わり方とは?」「なぜ地域なのか?」「コーディネーターなどのスタンス」といった切り口で、現在の取り組み(事例としてワークショップ「あーつひろば」、ギャラリーツアー「こどもアート探検」、地域アートプロジェクト「駅家の木馬祭り」など)について話を聞いた。

後半はグループワークを行い、アートプロジェクトと地域の連携について参加者同士で考えた。会場からは「アートプロジェクト×高齢者」をテーマに社会とのつながりを持ち続けることを目的とした提案や、「アートプロジェクト×政治」で政治のイメージを変えることを目的とした提案などがなされた。

「これからのパブリックリレーションズ」

兼松 佳宏
YOSHIHIRO KANEMATSU
会 期:2015年8月23日(日)
時 間:14:00〜15:00
会 場:鹿児島市役所みなと大通り別館、市民アートギャラリー
参加者:22名

「ほしい未来は、つくろう」をキャッチコピーに全国各地のグッドアイデアを発信しているウェブマガジン「greenz.jp」の編集長(2015年度現在)・兼松 佳宏さんをお招きし、活動を広めるためのパブリックリレーションズ(よい関係づくり)について伺った。

レクチャーでは、パブリックリレーションズは、いわゆる広報ではなく、「信頼関係の構築」であり、そのためにはライターがプロジェクトに寄り添うこと、編集長がコミュニティの温度をあたたかくすること(「らしさ」をつくる、「可能性」をつくる、「居場所」をつくる)が大事であるなど、兼松さんの編集長としての仕事を中心にお話しいただいた。

レクチャーの中で、兼松さんの考える「これからのパブリックリレーションズ」として「価値ある暗黙知をシェアする」「道半ば感をオープンに伝える」「ステップアップの瞬間を祝福する」「継続する」といった今後のパブリックリレーションズを考えるキーワードを聞くことができた。

「文化政策、アートマネジメントの近年の潮流」

大澤 寅雄
TORAO OSAWA
会 期:2015年9月26日(土)
時 間:14:00〜16:00
会 場:鹿児島市役所みなと大通り別館、市民アートギャラリー
参加者:10名

民間の立場から政策提言や政策課題の論点などを提供する政策研究機関ニッセイ基礎研究所の芸術文化プロジェクト室で国内の文化活動を視察し研究する大澤 寅雄さん(ニッセイ基礎研究所芸術文化プロジェクト室准主任研究員)をゲストに招き、国内各地の文化政策の現在がどのようになっているのか、事例とともに紹介いただいた。

レクチャーでは、文化と社会とのつながりを考える大澤さん自身の仕事や、これまでの文化政策を振り返り、文化政策と社会背景の変化、文化・芸術における政策評価・事業評価、アーツカウンシル(芸術文化に対する助成を基軸に、政府と一定の距離を保ちながら文化政策の執行を担う専門機関)、ポリシーミックス(政策横断)などについてお話しいただいた。

また事業評価に関して、誰にとっての「成果」なのか?ということから、ロジックモデル(ある施策がその目的を達成するに至るまでの論理的な因果関係を明示したもの)などの参考となる評価方法について提示していただいた。

「教育普及(ミュージアムエデュケーション)ブートキャンプ」

あいだだいや
DAIYA AIDA
会 期:2015年10月8日(木)〜12日(月・祝)
時 間:講 座8日(木)14:00〜16:00
時 間:個別相談会9日(金)10:00〜18:00
時 間:ワークショップ10日(土)、11日(日)14:00〜16:00
時 間:成果報告会12日(月・祝)14:00〜16:00
会 場:かごしま文化情報センター(KCIC)、鹿児島市役所みなと大通り別館、市民アートギャラリー
参加者:講座17名、ワークショップ16名、成果報告会18名

第6回目のゲストはコロガルパビリオンやcocoiku(ココイク)など柔軟な企画を生み出す会田 大也さん(ミュージアムエデュケーター)を招き、企画発案から実践までのシミュレーションを行うワークショップを開催した。

初日のレクチャーでは、山口芸術情報センター(YCAM)でのエデュケーションチームの取り組みを中心に作家・作品と鑑賞者の関係づくりやワークショップの組み立て方(エッセンスの抽出、スクリプトの作成など)について話を聞いた。なかでも「オーディエンスの頭を活性化しておくこと」「良い鑑賞者がいれば、良い作品が生まれる」など、鑑賞者の横に立って、一緒に鑑賞して共感する場を生みだす発想が印象的だった。

2日目以降は、実際にワークショップを経験しながら、参加者が普段から考えているテーマをもとにワークショップを組み立てる時間を設けた。
最終日の成果報告会では、参加者が自ら考えたワークショップが提案され、普段サッカーに興味のない人がサッカーに興味を持ってもらうことを目的とした「地元プロサッカーチームに所属する選手と同じメニューを食べてみるワークショップ」や失敗しても発言しやすく安心感を得られる場をつくるための「一歩踏み出すためのワークショップ」など、様々なアイデアがあがった。

「価値を伝えるプロジェクト記録術」

橋本 誠
MAKOTO HASHIMOTO
会 期:2015年11月21日(土)
時 間:14:00〜16:00
会 場:かごしま文化情報センター(KCIC)
参加者:14名

さまざまなプロジェクトのプロデュースや企画制作を手がけ、現在は”TARL(Tokyo Art Research Lab)”を推進するアートプロデューサーの橋本 誠さん(アートプロデューサー)をゲストに招き、企画を実行する際に必要な記録の仕方、またその重要性などについてお聞きした。

レクチャーは、「記録や評価の性質を理解する」「アーカイブすることの意義について考える」「使う観点に立ってみる」などをテーマに行われ、記録≠記憶であり記録はあくまで情報資料であることや、アートマネジメントのサイクルにおいて「推進すること」と「残すこと」の両立が求められることからアーカイブが必要であり、そのためにはデータ、ビジュアル、エピソードが重要であることなど、アートマネジメントに必要な記録術についてお話しいただいた。

後半では、実際に開催されている展示について記録する方法を考えるグループワークが行われ、記録するべき「内容」「手法」「ポイント」「活用方法」などをワークシートにまとめ、その時に心がけるポイントを参加者同士で考えて発表した。

「成果報告会〜やわらかい社会のために〜」

藤 浩志
HIROSHI FUJI
会 期:2015年12月5日(土)
時 間:14:00〜16:00
会 場:鹿児島市役所みなと大通り別館、市民アートギャラリー
参加者:20名

最終回となる第8回目のゲストは、かえっこバザールなどでおなじみの鹿児島出身の美術家であり、青森県の十和田市現代美術館の館長(2015年度現在)でもある藤 浩志さん(美術家)。春からのKCICアートマネジメントラボを振り返りつつ、アートプロジェクトの多様なマネジメントのあり方について藤さんに伺った。

レクチャーでは、鹿児島をはじめとする全国各地での藤さんの活動を振り返り、ご自身の作品の8割を占める「場づくり」においてマネジメントが重要であること、アートマネジメントがないと(活動が)「つながらない」「残らない」こと、アートマネジメント≠アーティストマネジメントであることなどについてお話いただいた。

アートの力で街をオモシロくしたい参加者が集まり、ともに学んできた6ヶ月間。これまでを振り返り、今後の地域におけるアートプロジェクトの可能性を話合った。
講座の最後には藤さんから規定の回数を満たした出席者へ「修了証書」が手渡された。